和尚のひとりごとNo117「本山 蓮華寺」
浄土宗には、格別なお寺として、総本山知恩院、大本山が七ヶ寺あります。その他に特別なお寺として、本山が一ヶ寺あります。
その本山とは、滋賀県米原市にあります「蓮華寺」です。
蓮華寺の歴史は古く、聖徳太子の発願により、615年に建てられ、当時は法隆寺と称していましたが、1276年に落雷により焼失してしまいました。
1284年に一向上人(法然上人の曾孫弟子)が、時の領主土居三郎元頼(どいさぶろうもとより)の支援によって再興し、「八葉山蓮華寺」と改称されました。
歴代天皇の帰依厚く、花園天皇より勅願寺院(ちょくがんじいん)として許勅(きょちょく)を賜(たまわ)り、寺紋として菊の紋を使うことを許されています。
創建当時は、南都六宗のお寺で、ご本尊さまはお釈迦さまをお祀りしていましたが、一向上人が再興された時に、阿弥陀さまをご本尊さまとしてお迎えされ現在は、お釈迦さま 阿弥陀さまの二尊がご本尊さまです。
時宗一向派大本山の念仏道場として隆盛を極めましたが、後に、浄土宗に帰属して浄土宗本山として今に至ります。
境内には、「忠太郎地蔵尊」がお祀りされていて、こちらのお地蔵さまは、長谷川伸 作「瞼の母」の主人公 番場の忠太郎にちなんで1958年に建立されたものです。
春には満開のミツバツツジ、夏は涼しさ感じる紫陽花 秋は赤く染まる紅葉 冬には降り積もった雪景色と四季折々の景色が楽しむことができます、一度とは言わず何度でも参詣していただきたいお寺でございます。
一向上人については次回ご紹介します。