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法然上人

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No.54 法然上人行状絵図

「法然上人行状絵図」をご存知でしょうか。知恩院が所蔵する国宝で、法然上人の伝記が記された巻物でございます。又、「絵図」とあるように絵が画かれている絵巻物語となっています。

法然上人の伝記ではありますが、上人の誕生から入寂に至るまでのことの他に、上人の弟子の列伝や、縁のあった方々(天皇 公家 武家)の事跡なども画かれています。
全部で四十八巻あり、これは、阿弥陀仏の四十八願にちなんで四十八巻に構成されたと言われています。ちなみに、「法然上人行状絵図」は、全長548mもあり、1巻あたりは約11mになる計算です。

「法然上人行状絵図」は、後伏見上皇の勅命により、比叡山功徳院の舜昌(しゅんじょう)法印(後の知恩院第九世)が制作の指揮をされたと伝えられています。制作期間も、武治二年(1307年)から十余年の歳月もかかりました。

「法然上人行状絵図」は、四十八巻あることから「四十八巻伝」、上皇の勅命により制作されたことから、「勅修御伝」とも別称されています。

残念なことに、私達が「法然上人行状絵図」を鑑賞する機会は、そう多くはございません。700年前の紙のものですから、大変傷みやすくなっている為です。最近では、法然上人の八百年御忌にあわせて、国立博物館で展示公開されたぐらいではないでしょうか。

しかし、昨年(平成二十四年)にデジタル複製画が完成されたとのことです。本物と遜色がないそうです。常時公開はしていませんが、いずれ鑑賞する機会も有ると思いますので、その機会には、ぜひともご覧になって頂きたいと思います。

法然上人行状絵図