立秋も過ぎて暦の上では秋になりましたが、まだまだ暑い日が続いています。特に今年は節電の呼びかけにより冷房を控えるなど例年に増して暑さに悩まされているのではないでしょうか。そしてこの時期こってりしたものより喉越しの良い冷たい麺類を好まれる方も多いと思います。この事から今回は夏の食べ物の代名詞『素麺』について書きたいと思います。
素麺の発祥は現在の奈良県桜井市とされ、その始まりは遣唐使によって伝えられた『索餅』(さくべい)が基だとされています。しかしながら索餅は原料の餅米と小麦粉を細長く練って2本を索状(縄状)にして油で揚げたものであり現代と比べてかなり太い形状であったとされています。また一説には南北朝時代に製法等が元から伝わったとされる説もあります。
室町時代になると麺類を意味する言葉として『索餅』、『索麺』、『素麺』が文献に登場し、その後『素麺』が定着していったとされます。またこの頃には貿易や渡来した僧によって伝えられた技術により形状も現代の物に近づいてきたとされています。
JAS規格によると機械で作る麺は直径1,3mm以下が『素麺』、1,3~1,7mm未満が『冷や麦』、1,7mm以上が『うどん』と分類されている。ちなみに手延べで作る麺の場合『素麺』、『冷や麦』共に規格は同じで直径1,7mm未満のものが『手延べ素麺』、『手延べ冷や麦』となっています。
今回は素麺の簡単な話でしたが、機会があれば日本三大素麺と言われる『三輪素麺』、『播州素麺』、『小豆島手延べ素麺』についても書きたいと思います。
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