法然上人二十五霊場のほかにも参拝していただきたい寺院を紹介していきたいと思います。
浄土宗の大本山 増上寺の案内です。正式には、三縁山広度院増上寺(さんえんざんこうどいんぞうじょうじ)と申します。
明徳四年(1393)、浄土宗第八祖 酉誉聖聡 (ゆうよしょうそう)上人によって、江戸貝塚(現在の千代田区平河町付近)の地に、浄土宗正統根本念仏道場として創建されました。その後、文明2年 (1470)には勅願所に任ぜられるなど、関東における浄土宗の発展に貢献していきました。
江戸時代の初め、源誉存応(げんよぞんのう)上人が徳川家康公の帰依(きえ)を受けて菩提所となりました。
慶長三年(1590)には江戸城拡張のために貝塚から現在の芝に移りました。 家康公が征夷大将軍となると増上寺の大造営が始まり、大伽藍(がらん)が造営されていきました。
以後徳川将軍家の菩提寺として、また関東十八檀林(だんりん)の筆頭。さらに、総録所として全国の浄土宗寺院をまとめる所として興隆しました。
戦災によって徳川将軍家霊廟(れいびょう)は焼失し、焼失をのがれた三門(さんもん)・経蔵(きょうぞう)・黒門(くろもん)などを含む境内は、 昭和四十九年(1974)完成の大本堂とともに、近代的に整備されました。
増上寺には以前「和尚のひとりごと86」でご紹介させていただきました黒本尊もお祀りされています。
ぜひとも、一度は増上寺に参拝していただきたいと思います。
※勅願所 天皇陛下の勅命によって祈願を行うところ。
※檀林 僧侶の養成機関、仏教宗派の学問所のこと。
※総録所 宗の行政事務をあつかう所です。
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