知恩院の御影堂を正面にして右側に、屋根の上に宝珠を頂いたお堂がございます。このお堂は「経蔵」と呼ばれています。その名前のとおり、お経が納められているお堂でございます。
こちらのお堂は、元和七年(1621)に建てられたもので、重要文化財になっています。
中に入りますと鮮やかな色彩で彩られており、天井や柱、壁面は狩野派の絵画で荘厳されています。
中央には大きな書架(しょか)があり、「宋版大蔵経」(そうばんだいぞうきょう)約六千帖が納められています。
この八角形筒状の書架は、八角輪蔵と言います。
六世紀、中国の傳翕善慧大士(ふきゅうぜんねだいし)という方が双林寺というお寺を建てる際に考え出されたものと言われております。
この輪蔵を一回転させれば、納められている大蔵経を読誦(どくじゅ)するのと同じ功徳を積むことが出来るといわれています。
輪蔵の前には、傳翕善慧大士と普賢(ふげん)・普成(ふじょう)という二人の息子の像が祀られています。お三方とも微笑んでおられることから「笑い仏」(わらいぼとけ)とも呼ばれています。
経堂は普段は公開されていません。公開されるのは、四月の御忌会(ぎょきえ)などの時です。
また、拝観されるときも、輪蔵を回すことは出来ませんのでご注意ください。
※宋版大蔵経 宋の時代に中国にある全てのお経を整理・編集したものです。
※読誦 声をあげてお経を読むことです。
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