和尚のひとりごとNo1088「法然上人一代記 17」


17.浄土宗を開く

浄土宗の開宗、それは承安(じょうあん)五年(1175)春のこと、「余行(よぎょう)を捨てて念仏の一行(いちぎょう)に帰したまえり」
法然上人にならい人々が南無阿弥陀佛(なむあみだぶつ)の念仏一行に徹底することを選んだその時のことであります。

さて法然上人が広められた教えは、出来る限り数多く念仏を称えなさい、そしてそれを生涯の最後臨終(りんじゅう)の際(きわ)に至(いた)るまで続けなさいというものでありました。念仏を相続すること、そうすれば必ず仏(ほとけ)・聖衆(しょうじゅ)の来迎(らいこう)がある。往生に必要な様々な条件は、お念仏(ねんぶつ)を相続(そうぞく)することの中に全て解消されていきます。

では何故このように言えるのか。その根拠は仏が本願によって誓われた念仏であるからであります。善導大師のこの思想に基づき立教開宗(りっきょうかいしゅう)した法然上人にとり善導大師は弥陀(みだ)の化身(けしん)にも等しい存在でありました。

浄土宗では善導大師を高祖(こうそ)、法然上人を元祖(がんそ)を呼び尊(とうと)んでいます。