和尚のひとりごと№1918「祝聖文②」
和尚のひとりごと№1918「祝聖文②」
天下和順 日月清明
天下和順し、日月清明たり、
意味)天下は泰平であり、太陽と月は清らかに輝き、
「天下」は天に覆われる全世界、「和順」は天候が穏やかなさま、あるいは人々の気質が穏やかでおとなしいさまを表します。「清明」は「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」に由来し、清らかで明るく、活気に満ちているさまを表しています。
風雨以時 災厲不起
風雨時をもってし、災厲起らず、
(意味)風と雨は時に応じ、災害と疫病は起きず、
時には大きな災害や疫病をもたらし私たちを苦しめる大自然はまた、私たしの生活を支えうるおいをもたらしてくれる大切なものです。雨・風がほどよく、災害や疫病が起こらない、そのような世界を表しています。
國豐民安 兵戈無用
国豊かに民安んじ、兵戈用いることなし。
(意味)国は豊かに人々は安らかに過ごし、兵や武器を用いる争いごとはなく、
崇徳興仁 務修禮讓
徳を崇め仁を興し、務めて礼讓を修む。
(意味)人々は徳を崇め仁を尊び、努めて礼儀と謙譲の道を修める。
「徳」は正義や善を表し、「仁」は自他隔てなく互いに慈しみ思いやるあり方です。「禮(礼)」は礼儀を貴ぶこと、「讓」は互いに譲りあうことを表します。
参考
浄土三部経 上『無量寿経』 (岩波文庫) 、浄土宗大辞典、【現代語訳】浄土三部経(浄土宗総合研究所[編])
今年一年、新たな災害や疫病が起こらないよう、また今も行われている侵略や戦争が一日も早く終息するよう改めて心より祈念致します。