和尚のひとりごと№1439「偈文33」

和尚のひとりごと№1439「偈文33」

 

 

食作法の肇に唱える十の仏・菩薩の名号。
食膳に関わった全ての施主等の、災障の消滅、および福徳と智慧の増大を願うために唱えるもので、
初めに唱える次の句頭がそのことを示している。
”十方(じっぽう)(又は今日 こんにち)
施主災障消除(せしゅさいしょうしょうじょ) 福慧増長(ふくえぞうじょう)”

食前に十の仏名を唱えることは釈道安に遡るという。
道安は西晋から前秦にかけて(四世紀)の人。
初の経典目録の作成や釋性の創唱、またまだ格義仏教の影響が色濃い中で仏典に即した理解を勧め、
仏教教団の確立に大きな功績を残している。