和尚のひとりごと№1407「偈文2」
和尚のひとりごと№1407「偈文 2 自信偈」
(書き下し文)
みづから信じ人を教へて信ぜしむること、難(かた)きがなかに転(うた)たまた難し
大悲を伝えてあまねく化するは、まことに仏恩(ぶっとん)を報ずるに成る
(意味)
自ら信じ、かつ他をして信じさせること
これは困難ある中にもまた輪をかけて難しいことである
仏の大いなる慈悲の心を、あまねく全ての人々に伝えることは
誠に仏の大恩に報いることに他ならない
また念仏者の心構えを端的に示した文。
列祖の回向に唱える偈文として用いられることから、御忌会など列祖の法要、また説教・法話・講演会など教えを伝える場面において、最初に「開経偈」を唱え、終わりにこの偈文を称える慣わしである。
善導大師『往生礼讃』初夜礼讃偈より。