和尚のひとりごとNo1122「法然上人一代記 50」

50.讃岐での滞在

今も法然上人の足跡を残す小松庄(こまつのしょう)、その中の一ヶ寺である生福寺(しょうふくじ)に辿り着きました。小松庄は当時九条家の荘園でもあり安心して滞在できる場所であったと思われます。生福寺では人々の歓待を受けながら、この世の無常の理を説き念仏を勧め、数多くの村人が帰依したという事です。
また讃岐滞在中に弘法大師ゆかりの善通寺に参詣した折「この寺にお参りした者は、一仏浄土の友となるであろう」と刻まれたのを御覧になって大変喜ばれたと伝えられています。この寺には今でも「法然上人の逆修塔」が残されており、法然上人が参詣者の後世における往生を願って建立されたと伝えられています。
そうした中今日の都より悲報が届きました。かの九条兼実公の死去であります。

善通寺 法然上人の逆修塔