和尚のひとりごとNo1092「法然上人一代記 21」

21.遊蓮房との出会い

西山の地にて出会った二人は意気投合し、小さき庵(いおり)を半畳(はんじょう)づつ分かち合い、念仏中心の二年間をともに過ごしたと言われます。
しかしながら生来病弱だった遊蓮房、明日をも知れぬこの身ならばと、近くにあった別所である善(よし)峰(みね)に隠遁し、さらなる信仰の深みを目指しました。さらにはここを去る自分の代わりとして法然上人を迎えられたとの思いもあったかも知れません。
別所への隠遁、それは臨終を覚悟しての決意でもあったに違いありません。そしてその際には是非とも念仏の朋友(ほうゆう)法然上人を迎えたいという思いも芽生え始めました。