和尚のひとりごとNo1109「法然上人一代記 38」

                            38.大原談義

旧勢力からの様々な迫害が相次ぐ一方、法然上人の念仏の教えは大きな反響を呼びました。
特に比叡山座主であった顕(けん)真(しん)は、浄土の教えに関心を示し出離の道を求める中、法然上人にも会見しました。法然上人は阿弥陀仏の願力を強き縁として凡夫が浄土に往生できることを説明しましたが疑念が解けず、100日間籠居して典籍を研究した上で、改めて法然上人を招いて議論を行うことが決まりました。
時に文治2年(一一八六)京は大原の勝林院にて、大勢の顕学の僧たちを呼びここに一大討論会が開かれました。
秋も深まり紅葉が色づく中、法然上人と顕真は丈六の本尊弥陀如来の御前に端座いたしました。

紅葉の三千院