和尚のひとりごとNo1103「法然上人一代記 32」
32.大仏再建へ向けて
こののち時を経ずに法然上人にひとつの依頼が舞い込みます。大仏殿再建の勧進職(かんじんしょく)をお願いしたい。このような内容でありました。
大仏殿再建の資金調達は大切な役目であります。それにより民衆の心を鎮めたいとのいうのが朝廷の意向でもあったのでしょう。勧進職とは人々の喜捨を集め募金をする役職であります。
しかしながら法然上人は辞退されました。
もしこの職を引き受けたならば、身辺慌ただしくなること必須であり、今ここにいる理由、すなわちただひたすらに念仏を称えることが出来なくなってしまう。
それが理由でした。法然上人のもとに遣わされた者はその信念に感心したと言われています。