和尚のひとりごと№1231「大本山 善光寺大本願」

和尚のひとりごと№1231「大本山 善光寺大本願」

善光寺は仏教の諸宗派(浄土宗などの~宗といわれるもの)に属さない独立した寺院です。
浄土宗と天台宗の寺院が善光寺のお世話をさせていただいています。その寺院のなかで、浄土宗の善光寺大本願と天台宗の善光寺大勧進の住職が、善光寺の住職を兼ねています。
善光寺大本願が、浄土宗の大本山になります。
善光寺大本願は尼僧寺院で、歴代の住職は、尼公上人です。 また、尼公上人は、皇族の方、堂上貴族からお迎えされてきました。

善光寺大本願では、毎早朝、上人がお勤めのために徒歩で本堂へ向かわれます。 その往復の道すじに信徒の皆様が膝(ひざ)をついて参列し、尼公上人にお念珠を頭に頂く(なでていただく)「御念珠頂戴の儀」が行われています。
機会があれば、ぜひ参列していただきたいと思います。

善光寺のご本尊は、一光三尊阿弥陀如来様です。
ご本尊の一光三尊阿弥陀如来様の仏像は日本最古の仏像といわれています。
「善光寺縁起」によれば、欽明天皇13年(552年)仏教の伝来ともに、日本に伝えられたといわれています。 仏教の受け入れについて、賛成派と反対派の論争の最中に、反対派の手によって、難波の堀江に打ち捨てられました。
その後、信濃の国司の従者(長野県の知事のお付きの人)として都に来ていた本田善光によって信濃の国(長野県)にお連れされたのです。
善光が、都から信濃へ帰る途中に、難波の堀の近くを通った時に、「善光~善光~」と呼ぶ声が聞こえ、あたりを見回すと、水の中から金色(こんじき)に光る仏像が飛び出してきました。その仏像が、一光三尊阿弥陀如来様の仏像だったのです。
阿弥陀様は、善光に一緒に信濃に連れて行くようにとおっしゃったそうです。
善光は、阿弥陀様のおっしゃるとおりに、信濃の国にお連れし、はじめは、自宅(長野県飯田市)でお祀りしていましたが、のち現在の地(長野県長野市)に移ってお堂を建て、お祀りされたそうです。
皇極天皇3年(644年)には、皇極天皇の勅願によって伽藍が造営されました。この時、本田善光の名をとって、「善光寺」と名付けられたと伝えられています。

「牛にひかれて善光寺参り」「一生に一度は善光寺参り」など、善光寺参りに関する言葉ができるほど、一般の人にとっては、大切な行事でした。
この大切な善光寺参りへ、ぜひ皆様も経験していただきたいとおもいます。

 

善光寺大本願 ホームページ

「そうだ浄土宗寺院を巡ろう」アプリ