和尚のひとりごと№1921「一百四十五箇条問答」1
和尚のひとりごと№1921「一百四十五箇条問答」1
『一百四十五箇条問答』
これからご紹介する『一百四十五箇條問答』(いっぴゃくしじゅうごかじょうもんどう)は、法然上人が、公家の女房衆をはじめとした当時の人々の問いに答える問答の形で、実際の生活において念仏信仰を実践していく心掛けを明らかにした内容です。特に民間にも一般的に受け入れられていた民族的な習俗、信仰に対して、専修念仏者としてどのように考え、対処し、どのように行動すべきかを具体的に示されたところに、他の著作にはない特色があるといえるでしょう。様々な禁忌(タブー)に多かれ少なかれ捉われることで、信仰の本質を取り違えたり、大切にすべきものを見失いがちな私たちにとりましてもとても示唆に富んだ内容であり、法然上人の浄土教を学び始める際にも手に取って頂きたい書物です。
『黒谷上人語灯録』の和語篇である「和語灯録」の巻五に収められます。『和語灯録』は、了慧道光編。文永一一年(一二七四)—同一二年に成立とされ、往生を求める人々にとり尊きともしびとなるように法然上人の書状を集めたものだとされています。
下記を参考にさせて頂きました。
浄土宗大辞典
法然浄土教と民俗信仰――『百四十五箇條問答』を中心として―― 伊藤唯信
『一百四十五箇条問答』法然が教えるはじめての仏教 石上善應
出典は、
原文は、SAT(「大藏經テキストデータベース」)より
和訳は、『一百四十五箇条問答』法然が教えるはじめての仏教より
※適宜空白、改行を入れました。和訳には()内補いました。