和尚のひとりごと№1578「六時礼讃 日没礼讃35」
和尚のひとりごと№1578「六時礼讃 日没礼讃35」
願滅一切諸罪根
【読み下し】
願わくは一切諸の罪根を滅したまえ。
【意味】
願わくはすべての罪を根こそぎ滅して下さい。
罪(つみ)
一般的には、何らかの規律・規範あるいは何らかの超越的・神的存在に対する違反行為のことです。その違反対象により、法的な罪、道徳的な罪、宗教的な罪に分けることが可能です。すなわち、法律に違反するという社会に対する罪、良心・道徳的規範に反する罪、そして神や仏といった超越的なるものへの背反という罪です。
仏教において罪とは、戒律に違反する行為を意味します。人間は罪を犯せば必ずそれに対する何らかの報いを受けるという因果応報の理を持つ仏教では、罪は「罪業」とも呼ばれます。この「罪業」の自覚の意識が特に強く見いだされるのが浄土教でございますが、またその自覚から仏教においては人間という存在についての省察が深められ、そして「救済」の教えが発展していきました。