和尚のひとりごと№1440「偈文34」
和尚のひとりごと№1440「偈文34」
(意味)
衆生済度のための大いなる哀れみに基づく誓願を立てた願い主である阿弥陀仏
私たちに浄土への往生を勧め励まして下さっている釈迦牟尼仏
念仏往生の真実を証明する東西南北上下の六方におわすガンジス河の砂粒にも譬えられるほど数多くの諸仏観音・勢至などの諸々の偉大なる菩薩
出自は異なれど極楽世界に入って皆同様に清らかとなっている方々
そして全ての仏法僧という宝の持つ広大な慈悲のご恩にむくいたてまつります
浄土宗の日常勤行で唱えられる別回向には特別な回向という意味があります。回向とは方向を転じて向かう事、つまり善い行いの功徳を他者に振り向ける行いを指します。別回向では御仏や祖師方のご恩に対して、あるいは先立たれた有縁の人々の菩提の増進(悟りへの道のりが迅速に進むこと)を願って回向が行われます。
そして私たちが勤める善い行いとは、外ならぬお念仏の事であります。法然上人も仰るようにお念仏には無上の功徳が備わり、その大いなる功徳を回向しているのです。
『地蔵菩薩本願経』によれば、追善供養による功徳の七分の一は祖師方やご先祖様が、残りの七分の六を我が身に戴けるそうです。