和尚のひとりごと№1220「聖光上人御法語後遍二十七」
和尚のひとりごと№1220「聖光上人御法語後遍二十七」
聖光上人(しょうこうしょうにん)云わく八万の法門(ほうもん)は死の一字を説く。然らばすなわち、死を忘れざれば八万の法門を、自然(じねん)にこころえたるものにあるなり。
またいわく、日ごろ随分(ずいぶん)に後世(ごせ)をおもう様(さま)なるものの行業(ぎょうごう)など退転(たいてん)することあらば、死期(しご)のちかずきたると思うべきなり。
訳
死の一字・死期の近き
聖光上人が仰るには、八万四千の法門はただ死の一字(ひともじ)を説くものである。したがって、すなわち死を忘れなければ八万のすべての法門を自ずと弁えることにもなるのである。
また仰るには、日頃より後世を想う者の実践が退転するような事があったら、死期が近づいているのだと思うがよい。