和尚のひとりごと№1172「聖光上人御法語前遍十一」

和尚のひとりごと№1172「聖光上人御法語前遍十一」

我は何ともあらばあれ、ただこの念仏の一脈(すじ)を深く信じ取って、我が身はかかる浅ましくうたてしき身なれども、忝(かじけな)くおわす阿弥陀仏の本願に値(あ)い奉る。この念仏を申さば決定(けつじょう)して往生すべしと思いとりて、更に念仏を疑わず、是れ則ち深く信に至って申す念仏なり。

わが身などはどのようになろうとも、ただあるが如くにあればよい。ただこの念仏の法門ひとすじを深く信じて、わが身が情けなくも嘆かわしい身であるけれども、恐れ多くも阿弥陀仏の本願に遭い奉った。この念仏を申せば必ず往生を遂げると心に思い定めて、露ほども念仏を疑うことはない。これがすなわち深い信心にまで至って称える念仏である。

紫雲山竹林院 天福寺                                       聖光上人が晩年に住した寺で、ここに住していた聖光上人を三祖良忠上人が訪れ、二人の対面を果たした場所と伝えられています。